SEの起業準備「ヒューマンスキルの話」

ヒューマンスキルの重要性

専門スキルあっての起業ですが、準備段階を機にヒューマンスキルにも注目しましょう。どんなにITが進化していても、プロジェクトを動かしているのは人間ですよね。人間同士が集まって円滑に業務を進めていくためには、技術以上にコミュニケーションが重要だったりします。実際に無事起業を果たした優秀なSEが技術力以外の部分で挫折してしまうのはよくあること。会社員時代にさまざまな荒波を経験して自信をつけたつもりでも、自分1人の力だけで乗り切ったわけではなかったということに後で気付かされるのです。それぐらい、会社員と事業主が置かれている立場にはギャップがあるということなんですね。では、ヒューマンスキルを磨くにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは自分を知ることから始める

ヒューマンスキルを磨くためには、まずは自分自身をよく知ることから。SEとして自分は何ができて何ができないのかを、正直に自己吟味してみましょう。SEなら上流工程についての理解と業界のトレンド把握はおさえておきたい基本事項。経験則で「多分できる」と過信せず、フラットに自分の能力を見つめてみるのがポイントです。わからないことを「できます」と言って引き受けてしまうなら、クライアントの信頼を損ねてしまうだけですよね。それよりも、「自分の強みはコレ！」とはっきりアピールできる状態にしておいたほうが、仕事を依頼する側からみてもわかりやすいはずです。
SEとしての能力を自己吟味したら次はコミュニケーション力です。会社員ならば、少々コミュニケーションが苦手でもその筋の専門家として許容されていたようなことが、起業後は一切通用しなくなる可能性があります。フォローしてくれる同僚もいないので、コミュニケーション力不足による問題が起きればそれまでです。悪いことを考えればキリがありませんが、ヒューマンスキルをアップさせていくためには、自分の弱みにしっかり向き合うことが大切です。

コミュニケーション力をアップさせる

クライアントの話を聞いてその意思を汲み取り、要望を形にしていくことが求められるSEはコミュニケーション力が命。起業するSEならなおさらそうです。コミュニケーションとは話すことではなくむしろ聞くことです。自分が言いたいことを一方的に伝えるのではなく相手の話によく耳を傾けて、内容をのみ込んでから返すべき言葉を出すようにするとコミュニケーションが取りやすくなりますよ。早合点して対処を急ぐのではなく、報告・連絡・相談をしっかりとはさみながら物事を進めるようにしましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、丁寧なコミュニケーションを心がけていけばいつかそれが自分のものになるはずです。